平成27年7月 食品リサイクル法関係省令が一部改正されました

「食品循環資源の再生利用等の促進に関する法律」(食品リサイクル法)は、食品関連事業者(食品の製造・販売、飲食業など)から排出される食品廃棄物についてその発生を抑えながら減量化する事で、最終的な処分量を減らすことと、肥料や飼料等として利用する食品廃棄物のリサイクルを推進することを目的に、平成13年に施行され平成19年に一部改正されました。
平成19年に改正された同法では施行の5年後に、法の施行状況について検討し、必要な措置を講ずるものとされており、これを踏まえ審議が行われ、食品リサイクル法関係省令の一部と食品リサイクル促進に関する基本方針が平成27年7月に改正されました。

① 食品廃棄物等の再生利用手法の優先順位づけの変更

優先順位 改正前 改正後
1 飼料化 飼料化
2 肥料化 肥料化(メタン化の発酵廃液等を肥料利用する場合を含む)
3 油脂化・メタン化、エタノール・炭化 油脂化・メタン化(発酵廃液を肥料利用しない場合)、エタノール・炭化
4 その他 その他

② 再生利用等実施率の目標値が設定

今回設定目標値(平成31年度まで) 前回設定 目標値 平成25年度実績
食品製造業 95% 85% 95%
食品卸売業 70% 70% 58%
食品小売業 55% 45% 45%
外食産業 50% 40% 25%

③ 発生抑制に関する目標値である規準発生原単位が新たに5業種で設定

平成32年3月までに、食品関連事業者の食品廃棄物等の発生抑制の目標値として基準発生原単位が、以下の5業種で設定。現行の26業種から31業種になりました。

業種 目標値
その他の畜産食料品製造業 501kg/t
食酢製造業 252kg/百万円
菓子製造業 249kg/百万円
清涼飲料製造業(茶、コーヒー、果汁など残さが出るものに限る。) 429kg/t
給食事業 332kg/百万円

kg/百万円:売上高百万円当たりの食品廃棄物発生量
kg/t:製造数量当たりの食品廃棄物発生量

①~③については 平成27年7月31日

食品廃棄物のリサイクルには、肥料化、飼料化あるいは油脂製品化への還元などがあります。このリサイクルを行う上で重要なのは、リサイクル品の用途に合った分別作業です。これら、どの用途でも廃棄物の中にビニールや食器などが混入しているようでは有効利用できません。また、分別が適切に行われない場合は肥料や飼料として利用が難しいだけではなく、リサイクルプラントの機械の故障や性能低下の原因となります。

一方、これらの方法に対して食品廃棄物をメタン発酵させることによって、バイオガスを発生させ、それを発電燃料として利用する方法は、簡単な分別のみでリサイクルが行えます。またリサイクル品が「電気」と「熱」、「都市ガス」なので、需要は安定しており、将来的にも需要不安のない継続可能なリサイクルです。