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2009年10月19日
バイオガスの都市ガス導管への注入について。

バイオエナジー株式会社
株式会社市川環境エンジニアリング
東京ガス株式会社

 株式会社市川環境エンジニアリング(社長:石井邦夫、以下「市川環境」)の子会社であるバイオエナジー株式会社(社長:岸本悦也、以下「バイオエナジー」)と、東京ガス株式会社(社長:鳥原光憲、以下「東京ガス」)は、このたび、2010年度から2019年度の10年間、食品残さ由来バイオガスの都市ガス導管への注入・受入に関する基本契約を締結しました。
今回締結した基本契約は、一般社団法人 都市ガス振興センターが公募していた「バイオガス都市ガス導管注入実証事業※」にバイオエナジーが申請し、採択されたことに伴うものです。
なお、食品残さ由来バイオガスの都市ガス導管への注入・受入は、日本で初めてとなります。

※「バイオガス都市ガス導管注入実証事業」とは、下水消化ガス、食品系廃棄物等のバイオマスから発生するバイオガスを都市ガスと同等の成分、熱量に調整し、付臭の上、圧縮装置を用いて一般ガス事業者の導管網に供給するシステムで実施する実証事業です。

 

バイオガスの都市ガスとしての利用

メタン発酵処理プラントで製造したバイオガスは、現在、ガスエンジン(840kW)や燃料電池(250kW)の燃料として使用し、発電を行うとともに発電時の排熱を回収し、プラント内で有効に利用しています。
しかし、バイオガスの原料である食品残さの増加や発酵効率の向上に伴い、バイオガスが想定以上に発生することから、新たな利用方法について検討を進めてまいりました。

 通常、バイオガスはバイオガスの発生場所で利用することが一般的であり、ガスエンジンによる発電やボイラの燃料等として使われ、排熱も有効利用しています。一方、熱需要の少ない場所でのバイオガスの有効活用策として、バイオガスを都市ガスとして利用する方法があります。

 しかし、バイオガスはメタン(CH4)と二酸化炭素(CO2)等の混合ガスであり、東京ガスが供給する都市ガスの主原料であるLNG(液化天然ガス)には含まれていない成分が多く存在します。そこで、バイオエナジー、市川環境、東京ガスの3社は、2008年度からバイオガスを都市ガスとして利用するための技術検証を共同で行い、2009年2月にはバイオエナジー 城南島食品リサイクル施設内にテスト装置を設置し、バイオガスに含まれるCO2や不純物を除去する精製テストを1ヶ月間実施しました。
それらの結果を踏まえ、バイオガス精製プラントの設計や都市ガス導管への注入・受入条件の検討等を行ってまいりました。

 このたび、バイオエナジーが「バイオガス都市ガス導管注入実証事業」に申請し、本日採択されたことを受け、バイオエナジーと東京ガスは2010年度から2019年度の10年間、食品残さ由来のバイオガスからメタンガスを回収し、都市ガスと同等の成分、熱量に調整し、付臭の上、都市ガス導管への注入・受入に関する基本契約を締結しました。

 

今回採択された「バイオガス都市ガス導管注入実証事業」について

1. 事業概要

2009年度中にバイオガスを都市ガス導管に注入するための、精製、熱量調整、付臭等を行う設備を建設します。また、2010年度から2011年度の2年間、設備の運転データを取得し、都市ガス振興センターに報告します。なお、2012年度以降も引き続き運転を継続する予定です。

2. 実施場所

バイオエナジー城南島食品リサイクル施設
(東京都大田区城南島3-4-4 東京都「スーパーエコタウン」内)

3.  各社の役割

・バイオエナジー
本実証事業の申請者であり、既設のメタン発酵処理プラントで食品残さからバイオガスを製造し、今回新たに設置するバイオガス精製設備、熱量調整設備、付臭設備で、バイオガスを都市ガス導管に注入するための精製、熱量調整、付臭作業を行います。

・市川環境エンジニアリング
バイオガスの原料となる食品残さを調達するとともに、バイオエナジーが実施する本実証事業に関する事業計画作成、資金調達等のプロジェクトのマネジメントを行います。

・東京ガス
バイオガスを精製、熱量調整、付臭したガスを都市ガス導管に受け入れるための基準作りや、都市ガス導管に受け入れるガスの管理・監督等を行います。

4.  都市ガス導管へのガス受入量

都市ガス換算量:約80万m3N/年(必要とするバイオガス量:約165万m3N/年)

5.  期待されるCO2削減量

約1,830トン/年

6.  システムイメージ図

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